埼玉政経セミナー 10.26特別講座報告

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講座資料1PDFファイル⇒2019統一地方選に臨む
講座資料2PDFファイル⇒マニフェスト勉強会資料(廣瀬講師)

埼玉政経セミナー 10.26特別講座報告
平成30年11月2日    事務局長 三輪

・日時:平成30年10月26日(金)18時30分~21時まで
・場所:市民活動支援センター A・B会議室
・講師:廣瀬克哉・法政大学教授
・コメンテーター:山中啓之・松戸市議会議員、吉田理子・S-netサポーターズ代表理事
・コーディネーター:白川秀嗣・越谷市議会議員

1. 政経セミナー代表挨拶:白川秀嗣・越谷市議会議員
・政経セミナーは、「選んだ後は白紙委任」であった市民と議員の関係を「公約の検証」を実施することにより「信頼と責任」の関係に転換しようとしてきた。本日の講座は①執行権のない議員マニフェストの実効性②右肩下がりの時代、日々の政策はどう変わるのか③「空き家問題」「ゴミ出し」「地域交通手段」等具体的な課題に対して、市民の役割、議員との関係、行政との関係をどう作っていくか
という観点を持って参加してもらいたい。

2・講演:「2019統一地方選に、どう臨むか」 廣瀬克哉・法政大学教授
~立憲民主主義を深めるローカル・マニフェストへ
<執行権を持たない議会の最も強い権限は審判としての役割を果たすこと>
・議会(議員)は執行権を持たず、政策提案権はあるが予算提案には制限があり、なおかつ個人名で戦う選挙と議会での多数派形成の矛盾等があるが、議会(議員)の最も重大な権限行使は、首長提出議案の審査=チエックを行う事である。
・評価軸として、例えば「これからの市のあり方像に照らしての判断」「財政的な持続可能性を厳しく吟味しての判断」「当事者の視点から的を外していないかの判断」が考えられる。

<誰とともに審査するのか、市民との協働作業の場を作る>
・これまで、「議員に丸投げ・ダメ出しの有権者」と「徒手空拳の議員」の関係を「市民や当事者と共にある議員」の関係に変えることをメッセージとして浸透させていく。
・議事の中に市民を参加させる改革は難しいが、議会の審査準備過程への市民参加はできる。
・「議会を強めるための経費を確保した方が、自治体の借金は減る」という事実が示されている。

<自治のオーナーである市民の意識を涵養し、まちづくりの将来ビジョンを協働で描く>
・「何を守るために、何をカットするのか?」「何を守るためなら、負担増も敢えて選ぶのか?」というオーナー感覚を備えた市民を育てるための、主権者教育・市民性教育を視野に入れたマニフェストを目指す。
・政策の実現も削除も、具体的に検討し作業してみて初めて分かる。立場や利害関係や価値観の違いを、「あれかこれか」ではなく「納得感」「これだけ議論した」ということで折り合いをつけていく、持続的なマネジメントが議員だけでなく、むしろ市民に問われている。まさに消費者市民からオーナーシップを自覚する市民への転換を促進するものとして 来年の選挙は位置づけられる。

3. コメンテーターからのコメント
<吉田:消費者民主主義からの分解の審判に正面から向き合う>
・今年4月に行われた春日部市議選の後、議員のホームページの削除やマニフェストの削除が散見される。外国人居住者が出したごみの散乱状態を市民参加で解決したとして、ごみを住宅の裏側に移動しただけという事で解決したとしてしまう。また学童保育を指定管理者制に変えることに父兄が反対しているが、議員が無関心であまり関わろうとしない事などが報告された。市民の中で議員に対して、地域の困りごとに対する対応や作法に厳しい審判の目が向けられていることが指摘され、こうした審判に正面から向き合うことが報告された。

<山中:審判としての役割を自ら率先垂範する>
・春日部市の状況について、まず議員が審判としての役割を果たしていないことが指摘された。地域で困っている事実を見ようとせず、関わろうとしない姿勢のため、マジョリティ(選挙に行かない人)に事実を伝え、対応を呼び掛ける行動も起こしていないことで、「不条理に対する怒りの欠如」が原因であると明らかにされ、市民の中にも「どうせ、やって貰えない」という諦め感があることが指摘された。
・そうした状況打開の前提として、街頭に立ち、配布ビラを定期的に更新し、識者や地域活動家とのディスカッションの場を数多くマネージしていく事が議員のあたりまえの日常活動ということが示された。この日常活動の枠内に選挙運動があり、そのような活動が問われている。

4. まとめ
・市議選に際して、市民として審判を下す基準・視点が重要である。消費者市民からオーナー市民に転換するために、市民が討議に参加して自分と意見の違う人の意見を入れて折り合いをつけて、一定の所に収まっていく基盤がなければ、自分の支持者としか関係性を持たない議員になる。そうした議員と支持者の関係からは右肩下がりの政策の判断基準が作れる訳がない。
・今後は人口減少、少子高齢化、縮退都市の現実と向き合わざるを得なくなる。それを中央集権的な、行財政改革(例えば、法律で決まったから、保育所の数を増やせばよい、人件費を上げればよい等)の論理や効率性の論理でやるのか、それとも議論や住民自治の涵養と結びつくべく市民を巻き込んでいくのか。
・2019年の統一地方選における政経セミナーの判断基準(案)を下記の5つの視点から策定していく。あくまで素案であり、今後本日に参加者をはじめ、市民の中で広く協議していきたいとの呼びかけが行われた。
① 自治基本条例・議会基本条例を立憲民主主義の視点から点検する
② 総合振興計画の評価(アベノミクスとの関連を含めて)
③ 社会保障制度を普遍主義から検証し、改善していく
④ 環境・エネルギー問題(エネルギー自治・産業自治の観点から提案する)
⑤ 「住民自治の根幹」としての議会を作動させる。

次回第2回特別講座は、12月3日(月)午後6時30分、越谷市市民活動支援センターを会場に、第1回と同じテーマで、山梨学院大学大学院の江藤先生から講演して頂く。
以上

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